山口県でAGA専門クリニックのミノキシジル錠剤フィナステリド錠剤の実体験、及びリアップなどミノキシジル外用薬と50年継続ケア情報を提供するWebマガジンです。10代で発症したAGAの克服法を実体験と知見で紹介。コチコチ頭皮からの脱出法から育毛サロン体験まで網羅します。
サントリーウエルネスが以前主力としていた「ナノアクションD」のような「頭皮浸透効果」を謳う育毛剤が、最近あまり広告で見られなくなった背景には、ご指摘の通り複数の要因が絡み合っていると考えられます。
育毛剤(医薬部外品)と医薬品の発毛剤・AGA治療薬には、その効果に明確な違いがあります。
育毛剤(医薬部外品):
目的:抜け毛の予防、育毛、薄毛の進行抑制、フケ・かゆみの防止、頭皮環境の改善などが主な目的です。
作用:有効成分(例えば、センブリエキス、グリチルリチン酸ジカリウムなど)が、血行促進、毛根への栄養補給、抗炎症作用などによって、今ある髪の毛を健康に保ち、抜けにくくすることを目指します。
「頭皮浸透効果」は、有効成分を毛根まで届けやすくするための工夫ですが、発毛そのものを強力に促す作用は、医薬品に比べると限定的です。
発毛剤(医薬品):
目的:発毛の促進。
作用:代表的なのがミノキシジル外用薬です。毛母細胞の活性化を促し、ヘアサイクルを正常化することで、新たな髪の毛を生やす、あるいは細くなった髪の毛を太く長くする効果が期待されます。
AGA治療薬(医薬品):
目的:AGAの根本原因にアプローチし、抜け毛を抑制する。
作用:フィナステリドやデュタステリドの内服薬がこれに該当します。AGAの原因であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制することで、ヘアサイクルの乱れを正常に戻し、抜け毛の進行を食い止めることが期待されます。
このように、医薬部外品の育毛剤はあくまで「育毛・抜け毛予防」が主であり、進行したAGAによる「発毛」には限界があることが知られています。一方、医薬品の発毛剤やAGA治療薬は、その効果が科学的に裏付けられています。
近年、AGA専門クリニックが全国的に増加し、さらにオンライン診療の普及も加速しています。
専門的な診断と治療: クリニックでは、医師が頭皮の状態を診断し、患者の症状や進行度に合わせて、ミノキシジルやフィナステリド/デュタステリドなどの有効成分を組み合わせた処方が可能です。
手軽なアクセス: オンライン診療の普及により、自宅にいながら医師の診察を受け、処方薬を配送してもらうことが可能になり、AGA治療への心理的・物理的ハードルが大きく下がりました。これにより、より多くの人々が育毛剤ではなく、効果が明確な医薬品による治療を選択するようになりました。
ミノキシジル外用薬の市販化: 大正製薬のリアップなど、ミノキシジルを有効成分とする発毛剤(医薬品)が薬局で購入できるようになり、消費者にとって身近な存在になりました(ただし、薬剤師からの説明が必要です)。
オンライン診療による経口医薬品の処方: 上記の通り、クリニックのオンライン診療を利用すれば、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬を医師の診察のもとで合法的に入手できるようになりました。
個人輸入のリスク認知の高まり: 以前は個人輸入代行サイトを通じて海外のフィナステリドやミノキシジル錠などを購入する人も多くいましたが、偽造品や粗悪品のリスク、副作用が出た場合の責任問題など、その危険性が広く認知されるようになりました。これにより、リスクを避けて安全なルート(医療機関)で医薬品を入手しようとする傾向が強まっています。
通販新聞社の調査(2024年12月)によると、男性用育毛剤のEC市場は横ばい推移の中で競争が激化しており、クリニックや医薬品の広告露出が増加していることが指摘されています。また、改正薬機法施行(2021年)やアフィリエイト広告などの表示管理責任強化(2022年)を受けて、広告審査が厳格化されたことも、各社の広告戦略に影響を与えている可能性があります。
このような状況下で、サントリーウエルネスが特定の育毛剤の広告を控える、あるいは主力商品から外す動きを見せているのは、以下の理由が複合的に作用していると推測できます。
市場の変化への対応: 「発毛」というより強力な効果を求める消費者が、医薬品やAGAクリニックに流れている現状に対応するため、広告戦略や製品ラインナップを見直している。
マーケティング戦略のシフト: 育毛剤の市場価値が相対的に低下していると判断し、より効果が明確な製品や、異なるカテゴリー(例えば、女性向けのヘアケアやサプリメントなど)に注力している可能性。
広告効果の再評価: 以前の広告手法や「浸透効果」の訴求が、現在の市場環境において費用対効果が薄れたと判断した。
サントリーウエルネスが特定の育毛剤の広告を控えているのは、育毛剤そのものの効果の限界に加え、医薬品によるAGA治療の普及、AGAクリニックの増加、オンライン診療によるアクセス向上など、市場全体の変化が大きく影響していると考えることができます。消費者がより高い効果を求める傾向が強まり、そのニーズに応える医薬品が手軽に入手できるようになったことで、医薬部外品の育毛剤の市場における相対的な価値が変化していると言えるでしょう。