山口県でAGA専門クリニックのミノキシジル錠剤フィナステリド錠剤の実体験、及びリアップなどミノキシジル外用薬と50年継続ケア情報を提供するWebマガジンです。10代で発症したAGAの克服法を実体験と知見で紹介。コチコチ頭皮からの脱出法から育毛サロン体験まで網羅します。
頭皮の健全性を語る上で、「保湿」と「常在菌(マイクロバイオーム)」は切っても切り離せない重要な要素です。これらは頭皮のバリア機能と深く関わり、AGAの進行を抑える上で無視できないポイントとなります。
頭皮は、顔の皮膚と同様に、外部からの刺激から体を守る「バリア機能」を持っています。このバリア機能は、主に皮脂膜と角質層によって構成されています。
皮脂膜の役割: 皮脂腺から分泌される皮脂と汗が混ざり合って形成される皮脂膜は、天然の保湿クリームとして頭皮の水分蒸発を防ぎ、しっとりとした潤いを保ちます。また、弱酸性の性質を持つため、外部からの細菌や刺激物の侵入を防ぐ役割も果たします。
角質層の役割: 表皮の最も外側にある角質層は、レンガとセメントのように並んだ角質細胞と細胞間脂質(セラミドなど)で構成され、物理的なバリアとして機能します。
保湿の重要性: 頭皮が乾燥すると、これらのバリア機能が低下します。
水分蒸発の加速: 皮脂膜や細胞間脂質が不足すると、頭皮からの水分蒸発が加速し、乾燥が進みます。
刺激への弱さ: バリア機能が低下した頭皮は、紫外線、花粉、ほこり、シャンプーの成分など、外部からの刺激に対して非常に敏感になります。
炎症とフケ: 乾燥した頭皮はかゆみを感じやすくなり、掻きむしることで炎症を引き起こす可能性があります。また、ターンオーバーが乱れ、未熟な角質細胞が剥がれ落ちることで、白いパラパラとした乾性フケが発生しやすくなります。
AGAへの影響: 頭皮の炎症や慢性的な刺激は、毛母細胞や毛乳頭細胞にダメージを与え、ヘアサイクルを乱す可能性があります。これにより、健康な髪の成長が阻害され、AGAの進行を助長する要因となり得ます。
適切な保湿は、頭皮のバリア機能を維持し、外部刺激から守り、炎症を抑えることで、健康な頭皮環境を保ち、AGAの進行を間接的に抑制する上で不可欠です。
私たちの頭皮には、肌の表面や腸内と同様に、様々な種類の微生物が共生しており、これを「頭皮常在菌」あるいは「頭皮マイクロバイオーム」と呼びます。これらの常在菌は、お花畑に例えて「頭皮フローラ」とも呼ばれ、頭皮の健康に重要な役割を果たしています。
主な頭皮常在菌と役割:
表皮ブドウ球菌(善玉菌): 頭皮の善玉菌の代表格。皮脂や汗を分解して保湿成分であるグリセリンを作り出し、頭皮を潤します。また、脂肪酸を生成して頭皮を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えるバリア機能の維持に貢献します。
アクネ菌(日和見菌): ニキビの原因菌として知られていますが、本来は皮脂腺の奥に生息し、皮脂を分解して脂肪酸やグリセリンを作り、頭皮を弱酸性に保つ役割も持っています。しかし、皮脂の過剰分泌や毛穴詰まりによって増殖しすぎると、ニキビや炎症の原因となることがあります。
マラセチア菌(日和見菌/真菌): 酵母菌の一種で、誰の頭皮にも存在する常在菌です。皮脂を栄養源とし、適度な量であれば問題ありませんが、皮脂の過剰分泌などで増殖しすぎると、フケやかゆみを伴う脂漏性皮膚炎の原因となることがあります。
黄色ブドウ球菌(悪玉菌): 健康な頭皮では少量ですが、バリア機能が低下したり、頭皮がアルカリ性に傾くと増殖しやすくなります。増殖すると、炎症、化膿、かゆみなどを引き起こす可能性があります。
エンテロコッカス(老化菌): 年齢とともに増える傾向があり、酸化物質を生成して頭皮に酸化ダメージを与え、薄毛や白髪のリスクを高めると指摘されている菌です。
頭皮フローラのバランスの重要性: 健康な頭皮は、これらの常在菌がバランス良く共存している状態です。このバランスが崩れると(頭皮フローラの乱れ)、様々な頭皮トラブルが発生しやすくなります。
皮脂の過剰分泌: 皮脂を過度に洗い流しすぎたり、逆に洗いきれていなかったりすると、常在菌のバランスが崩れ、マラセチア菌やアクネ菌が異常増殖しやすくなります。
炎症とAGA: 悪玉菌の増殖や日和見菌の異常増殖は、頭皮の炎症を引き起こし、毛母細胞にダメージを与えることでヘアサイクルを乱し、AGAの進行を助長する可能性があります。また、炎症によるかゆみやフケは、頭皮環境の悪化をさらに促進します。
バリア機能の低下: 常在菌のバランスが崩れると、善玉菌が作り出す保湿成分や弱酸性環境の維持が困難になり、頭皮のバリア機能が低下します。
AGAの進行を抑える上で、保湿と常在菌バランスの観点から以下の点が重要です。
過度な洗髪を避ける: 洗浄力の強すぎるシャンプーや、一日に何度も洗髪することは、頭皮に必要な皮脂や善玉菌まで洗い流してしまい、乾燥や常在菌バランスの乱れを引き起こす可能性があります。
適切なシャンプー選び:
保湿成分配合: 乾燥肌の場合は、ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分が配合されたシャンプーで、頭皮の潤いを保ちましょう。
低刺激性: 敏感肌の場合は、刺激の少ないアミノ酸系やベタイン系洗浄成分のシャンプーで、バリア機能を守りましょう。
常在菌バランスに着目したシャンプー: 最近では、特定の乳酸菌や植物エキスなどを配合し、頭皮の常在菌バランスを整えることを謳うシャンプーも登場しています。
頭皮マッサージ: 血行促進だけでなく、頭皮の柔軟性を保ち、皮脂や汗の分泌をスムーズにすることで、常在菌が活動しやすい環境を維持する助けにもなります。
生活習慣の改善: 栄養バランスの取れた食事は、全身の健康だけでなく、頭皮や常在菌の健康にも影響します。特に腸内フローラの健全性は、全身の免疫力や炎症反応に影響を与えるため、間接的に頭皮環境にも影響すると考えられています。ストレスの軽減も重要です。
頭皮の保湿と常在菌バランスは、相互に影響し合いながら頭皮の健全性を保ち、結果的にAGAの進行を抑制するための重要な基盤となります。医療機関での治療と並行して、日々のヘアケアと生活習慣を見直すことで、より効果的なAGA対策が可能になるでしょう。